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万葉集冒頭歌は雄略天皇の即位宣言

籠もよ み籠持ち 堀串もよ み堀串持ち
(こもよ みこもち ふくしもよ みぶくしもち)

で始まる、万葉集の冒頭を飾る雄略天皇の歌。

また「もう一つの万葉集」の冒頭を飾る歌でもあります。

籠毛與美籠母乳布久思毛與美夫君志持此岳尓菜採須兒家吉閑名々告紗根虚見津山跡乃國者押奈戸手吾許曾居師吉名倍手吾己曾座我許背齒告目家呼毛名雄母

この歌は籠(かご)とふくし(へら)を持って、菜を摘んでいる女性に声をかけた(求婚した)歌とされていますが、李寧煕氏はこれを雄略天皇の即位宣言として次のように読んでいます。

籠毛與 (こむいよ)   貊(こま)よ

美籠母乳 (みこむち)   瑞穂(みずほ)の貊たちよ

布久思毛與 (ぼっくそいよ)   復旧(ぼっく)島よ

美夫君志持 (みぼっくそち)   瑞穂の復旧島の者たちよ

此岳尓 (いおんどえ)   この丘に

菜採須兒 (なたらそご)   私は(先代と)並び立ち

家吉閑名 (いえじかな)   ここに家を作り

々告紗根 (なにろさね)   告げて住もうと思う

虚見津 (さろみちゅ)   斯盧弥鄒(さろみつ)

山跡乃國者 (やまとねならしゃ)   やまとの国は

押奈戸手 (ぬろのはそ)   押さえおきて

吾許曾居 (なおじいっこ)   統治者は私一人である

師吉名倍手 (しじゅぬべそ)   鎮めねかして

吾己曾座 (なもそあんじゃ)   私は自(みずか)ら位(くらい)に就く

我許背齒 (なおそわ)   私は急ぎ来て

告目 (にるも)   告げる

家呼毛名雄母 (いえおもなおも)   ここに来る 出て来ると

貊(こま)とは、狭義には高句麗人を指したようですが、広義には百済人、伽耶人、新羅人をも含む、朝鮮半島の人の総称だということです。

また復旧(ぼっく)島とは日本のことです。

斯盧弥鄒(さろみつ)とは、斯盧は新羅、弥鄒は弥鄒忽(みちゅほる)国すなわち沸流百済(びりゅくだら)のこと。この弥鄒忽(みちゅほる)国が日本に進出して立てた国が「瑞穂(みずほ)の国」であるようです。

さらに詳しい解説は「もう一つの万葉集」を見ていただくとして、おもしろいことに、この歌の李寧煕氏の解読は他の歌の解読ほどには非難を浴びていないようです。

おそらくこの解読が、万葉集の冒頭を飾るにふさわしいと誰にでも思わせるものがあるからでしょう。

大体「こもよ みこもち ふくしもよ みぶくしもち」なんて、どうも不自然で、「ほんまかいな?」と思ってしまいませんか?

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